
松本筑摩高校は昭和45年、松本平の夜間定時制高校3校を統合し、定時制2課程に通信制を併置した、全国で7番目の定通教育モデル校として創立されました。昭和52年には全日制課程を併設。昭和60年代には、その在籍数において県内最大規模の学校にまで成長しましたが、その後の少子化の影響から募集定数も減少しました。
平成19年には長野県高等学校再編計画に従い、定時制は午前部・午後部に夜間部を併置した多部制・単位制高校として生まれ変わり、翌年に全日制は閉課程となりました。創立以来40年間、各課程の構成は幾多の変遷を経ましたが、一貫して教育の機会均等の理念のもと、その経緯や年齢を問わず、多様な学びの型を選択しながら学習を続ける人びとに、修学の機会を提供して参りました。
本校の目指す理念は、谷川俊太郎作詞の校歌の中に刻まれています。
「鉛筆をにぎるこの手」、「友達とむすぶこの手」、そしてひたむきな心託して「青空へのばすこの手」・・・。鉛筆をにぎるこの手は、日々の労働と学習、友との連帯につながる関係性を取り結ぶ手そのものなのです。なぜ、私も、あなたも、ともに私以外、あなた以外では絶対にあり得ない形で巡り会うことができたのか。本校は、たった一度だけ、二度とはない仕方でこの「くれき野」の地に交錯する生徒諸君に、その邂逅の場を与えうるものと確信しています。
「生涯」をあらわす外国の言葉にLebenslaufという言葉があります。直訳すると、人生の行程=走る道のりでしょうか。しかし「走る」という意味の動詞から構成されてされている点からみても、しばしば人生がマラソンに例えられるのも理解できます。
本校に集う生徒諸君は、皆それぞれ自分の脚力に応じて、条件の異なるコースを疾走しています。明るい朝の光をあびて走る者。舗装された道路を走る者もあれば、ぬかるみの道を走る者もいる。晴れた日もあれば、凍てつく寒さに震える日もあるでしょう。
アメリカ大陸を横断した高石ともやさんによると、「あっ、あの雲の下まで走ろう」とか、「山がだんだん近づいてきたぞ」とか、自分の走っている周囲の自然物をある程度の目標にして走っていると、どんどん走れるのだそうです。しかし一方、「今日は何キロ走ろうとか、時速何キロで走るとしてどれだけ走ったとか、数字にこだわっていると、なんだかとてもしんどくなってくる」とも述べています。
人生のマラソンは、単に時間を競うものでもなければ、皆同じゴールを目指すものでもありません。
本校は「午前部」「午後部」「夜間部」に「通信部」を備え、多様な学びの場を提供しています。皆さんが本当に学習の必要性を感じたとき、それぞれ自分のペースで、自分にあったカリキュラムで勉強できる。松本筑摩高校はそんな学習環境を提供する高等学校です。
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